今日ののりべぇ＋のりべぇの、音楽、だいすき！　5月12日　 土曜日　（旧暦3月27日）

土曜日の雑感〜変更を余儀なくされること

（今日の「雑感」は少し長いです）

フリーライターという仕事をしていますと、突然お客様から文章の変更を余儀なくされることがしばしばあります。また私の場合、DTPと呼ばれるページレイアウトも同時に行いますので、レイアウトの変更を指示されることもあります。それも〆切の直前だったりすることも…。そういう時は、間に合うかどうかとヒヤヒヤします。しかし、広告系媒体というのは、突然の変更も十分考慮しなければならず、全て「想定の範囲内」だと割り切って対応しなければなりません。内容も〆切も時間が命ですから、〆切直前で内容に変更が生じたとしても、それはやむをえないのです。誰だって、古い情報より新しい情報の方がいいに決まってますからね。

さて、私の話はさておき、こうした突然の変更というのは別に、私の仕事に限ったことではありません。今日はネットで見つけた話の受け売りですが、意外と知られていない話題を書こうと思います。

先日「のりべぇの、音楽、だいすき！」で書かせていただきました、ハイ・ファイ・セットの「土曜の夜は羽田に来るの」の話の中で、A面収録の「スカイレストラン」について触れましたが、実はこの歌、意外なエピソードが隠されていたのです。

この「スカイレストラン」の歌詞は、当初、TBS系ドラマ「家庭の秘密」の主題歌で使われた曲「あの日にかえりたい」の歌詞として書かれたものでした。

ん？「あの日にかえりたい」？どこかで聞いたことあるなぁ、とお気付きの方。多分1975年以前のお生まれでは？（笑）そう。ユーミンこと荒井由実さんが歌い、大ヒットした曲です。まだ松任谷正隆さんと結婚される前なので、旧姓です。

「あの日にかえりたい」作詞・作曲：荒井由実　編曲：松任谷正隆

この曲をドラマ主題歌に使うにあたり、当初の歌詞はドラマの内容にふさわしくないという「変更を余儀なく」されることに。荒井由実さんは歌詞を全面的に書き換え、1975年10月にシングルリリースされました（ドラマは同年8月より放映開始）。そして当初書かれた詞は、「スカイレストラン」として世に出ることとなります。

「スカイレストラン」作詞：荒井由実　作曲：村井邦彦　編曲：松任谷正隆

ここですごいのは、歌詞の変更を余儀なくされる一方で、変更前の詞も別の楽曲として世に送り出し、さらにどちらも名作と呼ぶにふさわしい楽曲になったということ。ユーミン、恐るべし！

実は、こうした「変更を余儀なくされ」つつ、名作となった逸話はこれにとどまりません。今日はもう1曲ご紹介しましょう。

「秘密の花園」歌詞：松本隆　作曲：呉田軽穂(松任谷由実)　編曲：松任谷正隆

これは松田聖子さんの12枚目のシングル曲。1983年にリリースされています。

ではここで、youtubeで見つけた2曲をお聴きください。

「秘密の花園」その1　「秘密の花園」その2

その1は聴き覚えのある曲ですが、その2？聖子ちゃんファンならご存知の方が多いそうですが、こんな曲、聴いたことない！と言う方も多いのでは？もちろん、私もその一人です（笑）。

実は、これは別の意味で「変更を余儀なくされた」パターンです。実はその2の作曲はニューミュージックグループ「チューリップ」の財津和夫さんによるものです。

では、なぜこの財津さんバージョンが世に出ることがなかったのか？実は、〆切に間に合わなかったのだそうです。財津さん！どうしたんですか！

でも、ここでもすごいのはユーミン。作曲家の変更を余儀なくされ、急きょ依頼を受けて曲を書いたら大ヒット。もちろん、やっつけ仕事なんてことはありません。恐るべし、ユーミン！

実は松田聖子さんの楽曲の変更にまつわるエピソードはこれ以外にもあるようで、1980年代を代表する歌手ゆえに、話題は尽きないというところでしょうか。

もちろん、「変更を余儀なくされる」ことというのは特別なことではなく、日常茶飯事のことかもしれません。しかし、のりべぇのそれはともかく、日本を代表するソングライターでも、こういうこと、あるんですねぇ。

次回もお楽しみに！

（一部敬称略）