のりべぇ、土曜日の雑感「時代はかわる。消費行動もかわる」
今日は、昨日お送りしたブログの続きです。昨日は、最近、百貨店・デパートで買い物をしなくなったなぁ、というものでした。今週の土曜日の雑感は、この続きを書こうと思います。
時代の変化を憂いでいるわけではありません。
デパートでの買い物が減ったからといって、のりべぇは「昔は良かったなぁ」と思ってはいません。反面、急速に変化する消費行動に対し、ついていけないという気もないのですが、あまりにも目まぐるしく変化した消費行動、「買い物の仕方」については目を見張るものがあります。こういう時は歴史を紐解くのが一番。そうしますと、人々の買い物の仕方の変化を垣間見ることができます。
では、百貨店・デパートの歴史を軽く紐解いてみましょう。
いつも文章が長くなりますので、ご興味のある方はWikipediaの「日本の百貨店」をご参照いただくとしまして、日本での百貨店の歴史は1905(明治38)年前後に同時多発的にスタートしたといえるようです。ということは、まだ113年しか経っていないんですね。もっとも、三越や松坂屋のように、呉服店から始まった商店もあり、当時の創業年数を加算しているケースもありますので、創業○年の○の部分は加算された年数となる場合が多いようです。
百貨店には一応定義があります。Wikipediaでも冒頭に書かれていますが、「一つの事業者が複数の分野にわたる多種類の商品を一つの店舗で扱う大規模な小売店舗で、セルフサービス方式の売り場が50%以下のもの」だそうです。また、日本百貨店協会という組織もあり、そこに属しているというのも特徴です(一部非加盟の百貨店もあります)。
法令も時代とともに変化し、百貨店法→大規模小売店舗法→大規模小売店舗立地法と、廃止と制定が繰り返され、現在に至っています。法令は詳しくありませんので、名称だけ触れておきますが、実はこの法令の変化も、一連の「買い物の仕方」に変化をもたらしています。
デパート?スーパー?(ショッピング)モール?
実は、さらっと触れておきながら、法令の廃止と制定により、大きな変化が訪れたのが、郊外型ショッピングモールの誕生です。百貨店・デパートが駅前、あるいは駅の近くにあるのに対し、郊外型ショッピングモールは必ずしも駅前であるとは限りません。もちろん、車での来店(あるいは送迎バスなど)を前提にしたものですが、このほうが建設費用も安く収まり、周囲の建物の影響を受けにくくなりますので、出店が容易になります。法令の変化もこれを後押ししています(法改正や規制緩和の一環ですね)。
食品スーパーはともかく、デパートもショッピングモールも、あるいは専門店が出店するスーパーも、商品ラインナップが酷似してきますと、その区分は法令で定められているくらいの話で、物を買うことそのものにはなんら影響がなくなってしまいます。ただし、それは購入するという瞬間の話。次はこうした制度上の話から、実際の消費行動に目を移してみましょう。
やっぱり変わった!購入の仕方。
これはのりべぇだけの話かもしれませんが、服や靴などのファッションアイテムを除き、のりべぇの場合は購入の仕方が大きく変わりました。それは、欲しい商品を品名・品番まで調べて買うことです。ファッションアイテムだけは自分の体型にあるものを試着して選ぶため、ある程度ジャンルだけ決めて(例:アウター、ボトムス)商店に赴きます。
それまでは、百貨店や専門店、あるいは家電量販店に至るまで、品名・品番までは調べずに足を運び、そこにあった商品を購入していました。あるいはカタログをあらかじめ入手し、そこから購入に至るという流れでした。
そこに登場したのがネットです。ネットのおかげで、カタログの入手がパソコン上に変化しました。次に、価格.comに代表される価格比較サイトの登場です。これにより、商品レビューが容易に検索でき、かつ最低価格の検索も可能となりましたので、欲しい商品の絞り込みがあらかじめできるようになりました。特に家電量販店では商品を選ぶという行為はほとんどなくなりました。実物を見たい時にだけ行くようになりました。実際、家電量販店に実物を見に行き、アマゾンで購入するという購買層も一定数いるそうです。
ウインドウショッピングという消費行動は昔からあるとはいえ、最近では欲しい商品があればピンポイントで店に向かい、即購入するというのが現在の消費行動の一つとなっているようです。もちろん、衝動買いもあるかと思いますが、皆さんはいかがですか?
のりべぇの私見「買い物はコミュニケーションと感動、新たな発見の機会でした」。
これは過去の私の体験談ですが、デパートで買い物をすることは、店員さんとのコミュニケーションの場であり、特にファッションアイテムについては新たな発見の機会でした。ファッションに疎いのりべぇにとって、一種のコーディネーターの役割も担ってくれて、感動の時間でもありました。
デパートで買うメリットは、専門店とは異なり、ブランド・メーカーをまたいで購入が可能だった点です。現在ではセレクトショップも多く出店していますから、一つの店舗で異なるブランドの商品を選び、買うこともできますが、以前はこうしたセレクトショップの役割を果たしていたのがデパートだったといえます。
大切なのは「コミュニケーション」だと気づかされました。
実はここからわかったことがあります。それは「買い物に対するニーズ」の変化。実はこれ、AI(人工知能)が人の仕事を奪うかもしれないという最近の話題にも通ずるものがあります。
買い物をコミュニケーションの一環だと考えれば、買うという行為に人が介在しなければコミュニケーションの機会がなくなってしまいます。一方で、それを煩わしいと考える方にとっては、できるだけ人が介在せずに購入を済ませたいと思うでしょう。これはAIによって置き換えられる人の仕事と一致する点があるというのは、この「コミュニケーション」です。
これは一例ですが、のりべぇは個人的に「美容院」は今後もなくならないであろうと考えています。以前にもお話ししたかと思います。すでに髪を切る行為そのものは機械化が進み、いずれはロボティクスの進化で、どんな頭の形、髪型、髪の量に関わらず、理想的なカットを実現するロボット・機械が登場することでしょう。しかし、「美容院」に女性が足を運ぶのは、決してカットやカラーリングだけが目的ではありません。美容師の方とのコミュニケーションを楽しみに行くんです。ある医学データによりますが、女性は一日で一定以上のおしゃべりをしないとストレスが溜まるというものがあるそうです(決して女性蔑視でありませんので、悪しからず)。すると、美容院がそのおしゃべりの役を担うわけです。
同じように、物を買うときにもコミュニケーションは大切な行動です。自分にある服を選ぶとき、店員さんのアドバイスは大切なコミュニケーションですし、自分が買おうと思っていた家電製品が、実はあまり性能の良いものではなく、店員さんに勧められた商品の方が良かった、なんてこともあるわけです。相手はその商品ジャンルに長けたプロフェッショナルですから。
このブログを書きながら、のりべぇが今更ながらに気づかされたことです。
今後、百貨店はなくなってしまうの?それともなくならないの?
あくまでものりべぇの私見ですが、もちろんなくならないと思います。ですが、その「形」は変わるのではないかと想像しています。すでに一部の店舗では変わりつつあります。その代表例が、阪急メンズ東京の「パーソナルスタイリストサービス」。入会金3000円ですが、年会費等はありません。ファッションに疎いのりべぇのような男性にはもってこいのサービス。こうした専門性を強めたサービス強化が百貨店に求められているのかもしれません。そしてそれを担うのが百貨店なのかもしれません。これも一つの「コミュニケーション」。ぜひのりべぇも近いうちに利用してみたいと思います。
若い世代の方の、ネットでの意見を拝見すると、「デパートなんかいらない!」というものが多いように感じられます。確かに、若い世代の方向けの商品ラインナップが乏しい百貨店は少なくありませんし、専門店も増えています。ショッピングモールで気軽に買物をという方が気が楽かもしれませんが、現代は「多様性の時代」。そんな方々も、ウィンドーショッピング程度で構いませんので、一度足を運んでみてはいかがですか?
次回もお楽しみに!
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