今週はアメリカ「刑事ドラマ」テーマ曲3選
ちょっと今日は志向を変えて、こんな特集をお送りしたいと思います。若い世代の方はピンとこない作品もあるかもしれませんが、ぜひお聴きになってみてください（いつも通り、リンク（文字色が違うところ）をクリックしてみてくださいね）。
その１「刑事コロンボ」
「刑事コロンボ」（注：正しくはNBC「ミステリー・ムービー」テーマ曲）作曲：ヘンリー・マンシーニ
「刑事コロンボ」は、1968年（単発放送）・1971年から1978年（パイロット版を含む7シーズン）の旧シリーズと、1989年から2003年（8から10シーズン＋スペシャル）の新シリーズに渡って放映された刑事ドラマです。名優ピーター・フォーク演じるコロンボが、巧妙に仕組まれた完全犯罪を暴くというドラマで、アメリカの刑事ドラマでありがちな「ガンファイト（シュートアウト）シーン」が皆無（コロンボ本人は銃を抜かない）という、異色のスタイルで人気を博しました。現在もNHK BSで土曜日に放映されています。
このテーマ曲、日本ではNHKで放映する際に「刑事コロンボ」のテーマ曲として本編前後に流したのですが、正しくはアメリカの放送局、NBCの「ミステリー・ムービー」という番組枠のテーマ曲です（刑事コロンボも同番組枠の作品です）。それでも日本では「刑事コロンボ」のテーマで定着していますね。ドラマは観たことがないけど、この曲は知っているという方もいらっしゃるかもしれません。
さて、この曲を作曲したヘンリー・マンシーニですが、映画ファンなら誰もが知る「映画音楽の巨匠」。オードリー・ヘップバーン主演「ティファニーで朝食を」を筆頭に、「ピンクパンサーのテーマ」、「ひまわり」、「スペースヴァンパイア」など、1960年代・70年代を中心にかず多くの作品を残しています。
その2「マイアミ・バイス」
「マイアミ・バイス」 作曲：ヤン・ハマー
「マイアミ・バイス」は1984年から1989年まで放映された刑事ドラマです。日本では「特捜刑事マイアミ・バイス」として、1986年から1988年までテレビ東京系列放映されましたが、視聴率低迷で打ち切り。その後CS専門チャンネル「AXN」で2004年に全話放映されました。
派手なカー＆ガンアクション、全編ヒット曲を織り込んだBGMが、折しも派手なものがウケたバブル期と重なり、日本で大ヒットしたのですが、最初の勢いとは裏腹に、息切れした（視聴率の低迷）のも早かったという刑事ドラマ。のちの2006年には同名映画が公開されましたが、テレビドラマとは少々かけ離れていた（派手なアクションなどは共通してたんですけどね）のか、興行成績は今ひとつだったとか。蛇足ですが、のりべぇは大好きな刑事ドラマです。
さて、テーマ曲を書いたヤン・ハマーですが、実はチェコスロバキアの出身。彼の代表作がこの「マイアミ・バイス」です。劇中の「スコア」と言われるBGMを全編手がけていますが、このテーマ曲はなんと、当時のビルボードチャートで1位を記録！1980年代にインストゥルメンタル曲がビルボードで1位になったのは、ヴァンゲリスの「炎のランナー」のテーマ曲とこの曲だけ（どちらもサントラだけどね）という快挙を達成しています。今回ご紹介しているのは、アメリカのテレビドラマではよくある、パイロット版と呼ばれる「お試し版」からのタイトルシークエンス。本編のそれより少し長い演奏時間になっています。
その3「CSI:マイアミ」
「無法の世界」（Won’t Get Fooled Again）／The Who（ザ・フー）
（タイトルシークエンスはこちら。音量注意）
「CSI:マイアミ」は2002年から2012年まで放映された刑事ドラマです。元々は「CSI:科学捜査班（CSI: Crime Scene Investigation）」のスピンオフですが、デヴィッド・カルーソ演じるホレイショ・ケインの味のある演技、そして吹き替え版（声優は石塚運昇）の台詞回しにネットでは話題になりました。日本ではテレビ東京系列を中心に、AXN、WOWOW、Dlifeなどで放映されました（一部再放送あり）。
アクションに加え、科学捜査を詰め込んだ、「21世紀型刑事ドラマ」の代表作。しかもスピンオフでマイアミとニューヨーク、2つのドラマシリーズがあるというのも実に興味深い作品です。
さて、タイトル曲ですが、前述の2作品とは異なり、1960〜80年代前半活躍したイギリスの偉大なるロックバンド「ザ・フー」のナンバー。「偉大なる」とつけたのには理由がありまして、音楽雑誌「ローリング・ストーン」誌における「歴史上最も偉大な100組のアーティスト」の第29位にランクされているからです。
少し話が逸れましたが、テーマ曲に選ばれた「無法の世界」は8分以上ある長い曲のため、タイトルシークエンスではそれを40秒程度につなぎ合わせて使っています。それゆえ、「Yeahhhhh!!!!!!」と絶叫するところから始まるのでインパクトは絶大！そのため、曲紹介のところではフルバージョンとタイトルシークエンスの双方を掲載させていただきました。
他にも紹介したい曲はあるのですが…。
それはまたの機会に。いかがでしたか？この機会にドラマもご覧になってみてください。面白いですよ〜。
次回もお楽しみに！
（敬称略）
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