さぁ、新暦2022(令和4)年も残り1ヶ月となりました!
一気に飛び出そう!でも、ターボかアフターバーナーか、それともスーパークルーズか?(まずはうんちくの話をたっぷりと)
すみません。また一部軍事ネタになってしまいました。少々物騒な話に聞こえるかもしれませんが、それほど物騒ではありませんのでご安心を。
早い話が、「加速装置」(注1)のお話です。もちろん、詳しい部分はすっ飛ばします。
(注1:一部の製品は「過給器」とも言われますが、わかりやすい表現にしています。「その方面」に詳しい方、ご了承のほど)
「ターボ」というと、最近では自動車エンジンの性能向上・環境負荷軽減のために使用される装置という印象が強いのですが、最初は船舶用ディーゼルエンジンへの搭載で、程なくして飛行機エンジンへ搭載されました。
ところが、飛行機は第二次世界大戦後期にジェットエンジンが開発され、乱暴な言い方をすれば「エンジンそのものがターボ」になってしまいました。初期のものや戦闘機などに搭載されているのがターボジェットエンジン、近年の旅客機であればターボファンエンジン、プロペラ機も実はターボプロップエンジンといい、かつてのエンジンとは構造を大きく異(こと)にしています。
そのジェットエンジンですが、それ単体では超音速で飛行することはできませんでした。そのため、さらに燃料を噴射し、再燃焼させることで加速する機構がありまして、それを「アフターバーナー」と言います(注2:アフターバーナーはGEの登録商標だけど、この名称が一般的。米軍事規格(MIL)的にはオーグメンター(augmentor。P&W社ではオグメンタ)と呼ぶのだそうな。蛇足ですが、英・ロールズロイス社ではリヒート(reheat)といわれることも)。実は、かつて大西洋を超音速でぶっ飛ばし、ビジネスパーソンに重宝されていた旅客機のコンコルド(英仏共同開発)でも使用されていました(ただし、使用されたのは離陸時と超音速加速時。超音速巡航時は未使用。ちなみにコンコルドのエンジンはロールズロイス社製なので、リヒートですね)。ただこのアフターバーナー、作動時には大量の燃料を消費するため、常時使用することができません。すぐに燃料タンクが空になってしまうので。コンコルド引退の原因の一つも、燃料費をはじめとする高コスト体質がありました(コンコルド引退については他にもたくさんの理由があり、他にも興味深いことがいっぱいなので、そのうちお話しします)。
長らく超音速≒アフターバーナーの使用(注3:アフターバーナーを使用せず、超音速飛行することを可能にする飛行機は、過去にもあったのですが、「限られた条件下」であることに注意)という時代を経まして、主に軍事産業界での話ですが、アフターバーナーを使用せずに「安定して長時間超音速で飛行できたら」…という、偉い人たちの願望が近年、叶いました。それを「スーパークルーズ」といい、一部の戦闘機(F-22が有名ですが、自衛隊でも運用中のF-35も可能とされています)で実現しています。相変わらず長い前振り、失礼しました。
理想は「スーパークルーズ」のような身のこなし。でもね…。
事はそう容易ではありません。できる限りエネルギー消費を抑えつつ、高速で物事を処理できたらと考えるのは、ビジネスパーソンに限らず、多くの人類の願望であります(たぶん)。若けりゃいいですよ。多少エネルギー消費が多くても。それこそバンバン「アフターバーナー」焚いて、ガンガン加速すればいいんだから。だけど、やっぱりのりべぇにそういうことは無理。だって、来月には53歳になっちゃうし…。動きも思考も緩慢になりがちです。それでも加速できる装置があればいいなぁ、と思う次第です。
えっ?まさかその話をするために、あんな膨大な前振りをしたの?
今日の話題はそうなんですが、今回の「前振り」は、「こういう話もあるのね」程度で結構ですので、ぜひ覚えておいてください。試験に出るわけではありませんが、今月のブログで何度か出て参りますよ。
というわけで、明日もお楽しみに。
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