月曜日は「M&M」!(2月14日・旧暦1月14日。ネタ探しの関係で翌日配信)

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完全に最近「文化的な生活」から遠ざかっている!これはいけない!

改めてこのコーナーを執筆するたびに感じる「文化的時間の喪失と生活への影響」

 ネタ探しの関係で配信が一日遅れとなりました。申し訳ありません。その言い訳ついでに「言い訳の上塗り」をするわけではないのですが、ちょっとだけ書かせていただこうと思います。

 「読書・音楽鑑賞・映画鑑賞」。私にとってこの3つが主な「文化に触れる時間、ジャンル」です。読書は子どもの頃よりも今のほうが圧倒的に長い時間を費やし、音楽・映画についてはほぼ同じくらいの時間を鑑賞に費やしています。子どもの頃はとにかくテレビ視聴が好きで、音楽・映画はテレビ視聴に誘導される形で鑑賞していました。そういう意味ではテレビ視聴も一応、文化に触れる時間に相当していたのかもしれません。テレビドラマ(時代劇を除く)をよく観ましたし、歌番組も今より豊富に放送されていましたので、自然と歌に触れる時間がテレビを通じて持てていたのでしょう。もちろん映画も毎日のようにどこかの局で放映されていましたから、やはり触れる機会が多くなります。

 しかし、最近ではまず「テレビを観ない」。そして「ヒットチャートを聞かなくなった」。更には「映画館から足が遠のいてしまった」。最終的には「書店に足を運ばなくなった」ですから、そりゃ文化的時間は自ずと少なくなり、文化的な生活から自ら遠ざけてしまっていると思われても仕方がありません。これを「コロナ禍だから」というのはもはや言い訳。「対案」はいくらでもあるわけで、何のためのネット配信、ネット販売なのかと自ら反省してしまいます。その反省も踏まえ、今週の「M」は映画ということでお話させていただこうと思います。

今週は「Movie」をお送りします。

別にこの映画を通して脅しているわけではありませんよ。「クーデター」。

 ミャンマー、チュニジア、スーダン、マリ、ギニア。これらは2021年、つまり昨年クーデターが勃発した国。ここに、クーデターとは異なりますが、タリバンが再び政権を掌握した(とされる)アフガニスタンを加えれば、昨年政変が起こった国が大体勢ぞろいします。そして今年はアメリカ合衆国の「中間選挙」の年。韓国・フィリピンなどでは大統領選挙が行われるなど、大きな政治的変化が生まれるかもしれない年となっています。そこにもってきてロシア軍によるウクライナ国境への部隊集結、軍事演習。気がつけば多くの地域でなにやらきな臭さを感じずにはいられない今日この頃。つい、こんな映画を観てしまいます。しかもタイトルはあまりにもダイレクトすぎる「クーデター」(原題は「No escape」)。2015年のアメリカ作品です。先に予告編をご紹介させていただきます。

「クーデター」予告編。公開予定日は当時のもの。現在はamazon prime videoなどで視聴可能です。

ある朝、突然「外国人は皆殺し!」って言われたら、どうします?

 この映画はまさにそれ。舞台は東南アジアの某国。前夜のうちにクーデターが勃発。翌朝には「外国人は捕虜とせず、全員殺す」というお触れが出てしまう。なんにも知らない外国人は突然の襲撃になすすべもなく、次々に射殺されていく。しかし異常に気づいたジャック(オーウェン・ウィルソン)は、妻と二人の娘を連れ、ホテルを脱出。しかし街中で外国人は次々と殺害され、その魔の手がジャックとその家族にも伸びようとする。
 そこに現れたのは「5代目ボンド」、ピアース・ブロスナン。なんだけど、今回は今ひとつ冴えないところもある「謎の男」。しかし幾多の危機を乗り越え、最後はジャック一家を逃がすために自らの命と引き換えに暴走する軍人を制圧。しかしベトナム国境まであと僅かというところで試練は最高潮に達するのであった…。

もちろん娯楽作品だけど、今となっては少々の現実味を感じる作品に。

 作品はクーデターに至るまでの部分が多少端折られていますが、あくまでもメインは「外国人家族がいかに異国の地で生き延びるか」というところであり、ややリアリティに欠けるところもありますが、そこは映画「エネミー・ライン」(Behind Enemy Lines)で既に「サバイバル経験済」ともいえる、主演のオーウェン・ウィルソン、そして今回は脇役ではありますが「5代目007」のピアース・ブロスナンが加わることで、緊迫感、スピード感に加え、多少のユーモアも添加されています。舞台こそ「東南アジアの某国」とボカされていますが、ミャンマーでの一件を踏まえますと、いきなり外国人をまとめて殺害、は極端なものの、決して荒唐無稽な舞台・作品とは言えない話です。また、滞在中のホテルから(クーデター直後の)ストーリーが始まるところは、このあとご紹介する作品にも繋がるところがあり、旅行などで海外に滞在の際、一番襲撃に遭遇する建物だけに、日頃から逃げ道と隠れる場所はチェックしておきたいと思わずにはいられません。ついでに銃の使い方を覚えておくのも良さそうですが、こういう時は「Don’t be a hero.」(日本語訳で最も適切だと思われるのは「妙な気が起こすな」でしょうね)が一番のようです。

こちらは実話ベース。2008年に発生した「ムンバイ同時多発テロ」の際に起こったホテル人質立てこもりがテーマです。

 次にご紹介するのは「ホテル・ムンバイ」。2008年11月、ムンバイ(かつてのボンベイ)でイスラム過激派と思われる勢力に、ホテルや駅、映画館などが襲撃される。いわゆる「ムンバイ同時多発テロ」であり、26日夜に勃発。29日朝まで制圧されるも、170人以上の犠牲者を出す大惨事となってしまう。
 その舞台の一つが「タージマハル・ホテル」(Taj Mahal Palace & Tower)であり、突然人質にされてしまった約500人の宿泊客、なんとしても宿泊客を脱出させようと尽力するホテル従業員たち、警察、国家保安警備隊とのにらみ合いなど、一晩に渡る攻防戦がリアルに描かれている。
 作品は2018年、オーストラリア、インド、アメリカの合作です。同年プレミア公開後、2019年の上映です。では早速、予告編をご覧ください。

「ホテル・ムンバイ」予告編。公開日は当時のものです。日本でも2019年に上映されています。

実話ベースだけに、半端ない「リアリティ」と「もどかしさ」が一層手に汗握る作品に仕上がっている一方、リアルすぎるが故に。

 これでも一応はドラマティックに仕上げられています。冒頭部分の、おっちょこちょいな主人公アルジュン(デーヴ・パテール)の自宅を出るシーンなんかは、本当にパニック映画なのか?と思わせてしまいますが、これがいわゆる「フラグ」ってやつですね。あっ、但しこれは「面倒なことに巻き込まれてしまうフラグ」で、「ダイ・ハード」シリーズのマクレーン刑事(巡査部長)のそれと同じやつ(笑)。本編に入れば、こんなつまらぬ冗談など言える隙を与えてくれません。
 一方、実際のテロ事件当時もそうだったようですが、現地警察と国家保安警備隊による現場突入は慎重さを要した結果(ホテルの性質上、外国人率が高く、万が一の時に国際問題になりかねない)、そのへんには一種のもどかしさを感じずにはいられません。
 容赦なく宿泊客、ホテル従業員を射殺する一方で「金になる」客探しに必死になる姿、そして「姿なき黒幕」など、細部にまで再現されていますが、それ故に作品に対する評判は半々といったところ。リアルすぎて当時の被害者の気持ちを蹂躙する(見世物になっている)ものではないか、という意見まで出る始末ですが、それだけ作品の仕上がりはよし、ということでしょう。
 最後に、舞台となっている「タージマハル・ホテル」(Taj Mahal Palace & Tower)は事件後3ヶ月という異例の速さでグランド・リニューアルオープンを果たし、1903年創業の威厳ある姿を今に残し、営業を続けているそうです。

決してみなさんを「あおる」わけではありませんが…。

2022年は一層危機が迫っていると考えても差し支えないでしょう。

 それ故に、映画から得られる情報は結構重要だったりします。といいますのも、書籍で「民間防衛ーあらゆる危険から身をまもる」というものも出ていまして、しかも本書の編さんが実はスイス政府なんですが、ただ、「この手のネタが好きな人」でないと読みにくいところもあり、そういう場合は書籍ではなく、映画で観るというのも一つの手段だと私は思います。また、クーデターやテロ行為が対岸の火事にしか思っていない方に申し上げますが、日本は1995年3月20日に発生した「地下鉄サリン事件」のため、安全度が最も高い国とは言えなくなってしまいました。今後、どのような組織・団体が引き起こすかは定かではありませんが、全く無いとは言えなくなった以上、相応の覚悟が必要です(実際、地下鉄サリン事件を起こした当時のオウム真理教ですが、世間の認知ではせいぜい「変な輩の集まり」程度で、まさかサリンの「精製工場」を持っていたなど、考えもつきませんでしたから)。

次週もお楽しみに!(敬称略)

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