月曜日は「M&M」！その9（7月26日・旧暦6月17日）

毎週月曜日は、私の好きな音楽・映画をご紹介しています。

と言いつつ、今週も前振りから始めます。

　いやぁ、始まりましたね、東京オリンピック。始まってしまえばやっぱり面白いわけで、未だに「反対！」とか言ってる人も、そろそろテレビで各国選手の活躍を楽しみませんか？あんまり肩肘張ってると疲れちゃいますよ。なんて余計なお世話でしたね。
　蛇足ですが、「M&M」ではオリンピックとは関係ないコンテンツで今週もお送りします（笑）。

では、今日の本題。今回は「Music」です。

混沌とした80−90年代のダンスミュージックシーンの中から、ちょっと切り取りを。

　アメリカ・ヨーロッパを中心に、80年代・90年代はダンスミュージックが急速に発展・派生した時代と言えるでしょう。この話を書き始めますと膨大な時間と文章を要しますので、「M&M」では当時のダンスミュージックをちょっとずつ、輪切りをするようにご紹介していこうと思います。
　今回は、90年代前半から中盤にかけて流行した「ユーロダンス」の中でも、「ラップとヴォーカルのデュオ」2組をご紹介いたします。日本でも大ヒットした2組です。

その前に、「ユーロダンス」を簡単にご説明します。

　ユーロダンスは90年初頭に登場します。ハウス、ハイエナジー（Hi-NRG)、イタロ・ディスコ（イタリア人が英語で歌うディスコ曲）を融合したサウンドとも言えるダンスミュージックです。
　特徴の一つが、ラップとボーカルの掛け合いで、今回ご紹介する2組も例外なくこの組み合わせです。また、コーラスや旋律の一部をサンプリングするなどの手法も共通していると言えますが、一般受けするメロディラインの曲も多く、決してマニア向けとも言えないジャンルでもあります。

元はハードコアテクノ。それをポップにしたら大ウケ！「2 Unlimited （トゥー・アンリミテッド）」

　2 Unlimited（トゥー・アンリミテッド）は、1991年に結成された、ベルギー出身のユニットです。フロントに立つのはラッパーのRay Slijngaard（男性）、ヴォーカルのAnita Doth（女性）。いずれも南米はスリナム系のオランダ人です。1998年にフロントのメンバーが入れ替わりましたが、代表曲の多くはこの2人によるもの。もともとハードコアテクノ出身、元T99のPhil Wilde（フィル・ワイルド）がメンバーのせいか、音そのものは結構ハードです。しかしリズムは一般受けしそうな曲が多く、特にこの曲は日本でも大ヒットしました。

No Limit / 2 Unlimited 。全英チャート1位を記録した1993年リリースのスマッシュヒットです。

　さらにもう1曲。イントロに使われた、パイプオルガンを思わせる音源が印象的な1994年のヒット曲です。

The Real Thing / 2 Unlimited 。全英チャート6位を記録。世紀末的なPVが印象的です。

　懐かしい！と思われた方。多分1975年〜1980年に生まれた方ですかね。よろしければベストアルバムを買って、車の中で聴いてみませんか？（きっとお子さんはドン引きするかもしれませんが）

　2アンリミテッドは、「バブル景気」から少し外れた頃にヒットしたんですが、いわゆる「大箱」のディスコから、「小箱」のクラブへのシフトが行われる間の時代を彩ったといえる作品です。それは、この後ご紹介するアーティストも同じです。

ダミ声のラップはドイツ人！日本でも大ヒット曲あり！「The Real McCoy（リアル・マッコイ）」

　別名「M.C. Sar & The Real McCoy」。1989年にドイツで誕生したユニットです。テクノトロニックの「パンプアップ・ザ・ジャム」のカバー曲からスタートし、ドイツ国内でそこそこの活躍を見せていたのですが、ハウスからユーロダンスへと路線変更し、1993年にリリースした「Another NIght（アナザー・ナイト）」はドイツで不発。ところが突如カナダのダンスチャートで1位を獲得するや、世界的な大ヒットを記録。一気にメジャーで活躍するアーティストになりました。フロントには、O-Jayの別名でも知られるドイツ人ラッパーのOlaf Jeglitza（オラフ・ジェグリツァ）、ヴォーカルはアメリカ出身女性Patricia Petersen（パトリシア・ピーターセン、パティの愛称）が立ちます。