日刊のりべぇ 1月16日土曜日(旧暦12月4日)

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今日は週末なので、「雑感」を長くお送りします。

今日は「resort」について長いお話を…。

 resort、リゾートと聞いて皆さんはどんなことを思い浮かべますか?「Go toトラベル」も中止の昨今、そんな話を?と思われるかと思いますが、一旦Go toの話は脇に置かせて頂きます。

実は行楽地、という意味だけではない「resort」という単語

 うっかりすると、リゾートという単語は行楽地という意味にとらわれてしまうのですが、実は(他に手がなく、最後の手段として)訴えるとか頼りにするという意味もあります。代表的な例は「The last resort」。これは「最終手段」という意味です。切羽詰まってという用法もあるようですが、「最後の望み」を指していますね。これまたうっかりしますと、「最後の楽園」なんて解釈してしまいがちです(まあ、ある意味「当たらずしも遠からじ」ですが)。少し話がそれましたが、ぜひ心の片隅にでも、小さくメモしておいてください(すみません、歌詞の一部を引用しました)。

さて本題。今のうちに考えましょう「あなたの理想のリゾート」。

 なぜ?と思われたあなた。それは今後、私がテーマとして書こうと思っていることであり、動画でもお送りしようと思っていることだからです。さらに、最近の傾向(トレンド)とも照らし合わせて考えたいからです。

ブッシュクラフトとグランピング、そしてソロキャンプ。

 近年のアウトドアブームは非常に盛り上がりを見せています。特にコロナ禍にあっては、旅行や飲食もままならないため、密を避けるようになのか、キャンプ場は大人気。キャンプ用品も大変売れていますし、YouTubeもキャンプ関連の動画は再生回数が伸びるコンテンツです。
 最近ではキャンプのスタイルも多様化し、予めテントが用意され、中にはベッドまで置かれているという「グランピング」もあれば、キャンプの原点とも言える、「ブッシュクラフト」も一部の方には流行しています。前者は「充足された環境」が提供され、後者はナイフ1本とテント(と言っても大きな布1枚みたいなもの)をくらいを持ち、落ちている木の枝や石を使い、かまどづくりから食器までを自作するという「不足を存分に楽しむ」ことが主たる目的のキャンプです。
 面白いもので、充足を楽しみにせよ、不足を楽しむにせよ、結果、得られるものは「満足感」。両極端な例ではありますが、どちらも楽しいものです。
 そしてソロキャンプというのも流行してますね。以前はひとりキャンプとか、ぼっちキャンプとも言われてましたが、ソロキャンプという言葉が定着したようです。これもある意味、不足を楽しむもの。キャンプといえば、仲間内でワイワイと楽しむというのがキャンプスタイルの定番でしたが、あえて賑わいを避け、ひとりでじっくりと楽しむのですから、不足が満足感を生むスタイルと言えるでしょう。「野外活動≒キャンプ」一つをとってみても、一見すると両極端な「不足と充足」ですが、結果はひとつなわけです。

西洋的「ホスピタリティ」と日本的「おもてなし」

 他方、宿泊施設というのも色んなスタイルがあり、とても興味深いものがあります。
 先日、日光に「リッツ・カールトン」ホテルが開業しました。とても有名な外資系ホテルで、大阪や沖縄などにもあるのですが、ホテルのお手本のようなところでして、彼らのホスピタリティが本になるほどです。他にも日本国内ではこの十数年の間に、外資系ホテルが多数開業しています。観光立国日本として評価された結果とも言えるのですが、もちろん外資系でなくとも、日本には世界に誇るホテルが多数あります。帝国ホテルや金谷ホテルなど、長い歴史を持つクラシックホテルもありますし、1964年の東京オリンピックを契機に誕生したホテルニューオータニは、今やクラシックホテルとしてカウントしても差し支えないのではないでしょうか。いやいや、もっと言えば、老舗旅館まで合わせれば、実は多彩な宿泊施設が日本国内には多数あります。
 これらの宿泊施設を語るには、一晩や二晩では足りないほどの時間と紙面、それにエネルギーを要するのですが、少々乱暴に分類すると、西洋的な「ホスピタリティ」と日本的「おもてなし」に分けることができます。

「プライベートを尊重し、必要なサービスを必要な時に」

 西洋的な「ホスピタリティ」といえば、この一言に集約されるでしょう。顧客から求められれば、必要なサービスを提供する。そのサービスの質や迅速さが、そのホテルの評価に繋がります。
 それが最もわかりやすく現れているのが、ドアノブにかける「(Please)Don’t disturb」の札。日本のホテルでは「起こさないでください」と日本語で小さめに書かれていますが、「邪魔しないで」というのが本来の意味。これがかかっている場合は、清掃もリネン類の交換も、更にはベッドメイキングも行いません。しかしこれもサービスの一つ。顧客のプライベートタイムを侵害しないことがルールであり、サービスだからです。
 流石に最近ではそういうことはないでしょうが、それを知らなかった日本人観光客は、この「(Please)Don’t disturb」の札をかけたまま観光にでかけてしまい、部屋に戻ってきたところ、部屋が前のまま(シーツなどの交換がされていない)だったことに怒り心頭、という話があります。それはこの後の話をお読みいただければお分かりになると思います。

「上げ膳据え膳」の文化を享受できるのが「おもてなし」

 今でこそ和洋折衷の部屋も多いのえすが、元々日本の旅館にはベッドがありませんから、寝る前に布団を敷かねばなりません。そして翌朝には布団を畳まねばなりません。この作業をしてくれるのが仲居さんであることは皆さんもご承知のところ。宿泊客は布団に入って寝るだけでいいわけです。食事も同様で、食堂・レストランで食べるケースも今では多いのですが、日本の旅館の場合、基本的には部屋で食べます。もちろん仲居さんがお膳を運んでくれ、下げてもくれます。「上げ膳据え膳」というと、少々俗な表現にも聞こえますが、部屋にいるだけで、食事から寝床の準備まですべて旅館の方がしてくれるのが「おもてなし」。
 ところが、もし部屋のふすまに「Don’t disturb」なんて札をかけてしまったら、仲居さんが困ってしまいます。もちろん、そんな札はありませんし、日本の旅館に泊まることの楽しみは、この「全部載せ」なサービスなわけです。

「どちらもよろし」と思わないと、楽しみも半減しますよ。

 かなり端折って説明しましたが、どちらがいい悪いという話をしたいわけではありません。双方に良さがあるわけで、その違いを知らないと、せっかくの旅行も楽しみが半減してしまう、というわけです。前述のキャンプと比較してください。もしブッシュクラフトを楽しみたいキャンパーがいて、電気・ガス使い放題!炊事場だけでなく、シャワーも水洗トイレも完備のキャンプ場を用意されても嬉しくないわけです。また、そっと自分の(あるいはパートナーと一緒の)時間を過ごしたい旅行で、「は~い、お布団畳みますね〜」と仲居さんに入られてしまったら、プライベートな時間も台無し。そういう方は旅館ではなく、ホテルのほうがいいわけです。でも、「は~い、お布団畳みますね〜」から「今日はいい天気ですね」と仲居さんに話しかけ、「窓から見える〇〇山は今の時期、とても見頃なんですよ〜」という話のやり取りを、仲居さんとできたら嬉しい、と思うときもあるわけです。ただ、日本は例外的に、その双方の文化を享受できるわけで、これを楽しまないわけにはまいりません。

巣ごもり生活が「The last resort」にならない暮らしを…

 とはいえ、新型コロナウイルス感染症は拡大の一歩。感染力が強い「亜種」が発見されている日本国内では、旅行はおろか、日常の移動もままなりません。とはいえ、巣篭もり生活がそれこそ「The last resort」(最終手段)にならないよう、今はじっと「ステイ・アット・ホーム」でいましょう。なお、新しい生活様式(ニュー・ノーマル)へ移行できましたら、ブログや動画でいろんなリゾート施設やのりべぇのリゾートでの過ごし方(といっても「おひとりさま」の、ですが)についてご紹介したいと思います。

明日の「日べぇ」もお楽しみに!

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