今日ののりべぇ 10月25日 木曜日 (旧暦9月17日)

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教育と情報・サービスに、どれだけコストをかけられるか?

今日は少し小難しいお話をしたいと思います。

以前にお話をしたかもしれませんが、のりべぇは毎日、フォーブス日本版のメールマガジンを読んでいます。それ以外にもIT系のメールマガジンを3種類ほど(CNET Japan、日経BizGateなど)を読んでいます。これらはすべて無料です。それらの中で、なぜ日本にはソフトウェアに関する安価な良書(マニュアルや解説本)が多いのかと言う記事がありました。確かに書店やAmazonを見ますと、コンピューターのコーナーに様々な「ソフトウェア解説本」がありますよね。スマートフォンの機種別使い方、なんてものもあります。お仕事でパソコンを使われる方の中には、ビジネス系ソフトの使い方がわからず、いわゆる解説本をお買いになった方も少なくないかもしれません。

ところがその記事を見ますと、実はこれ、日本だけの傾向だそうです。海外では「ネットで調べる」が基本のようで、ソフトウェアの解説本は、漫画はおろか、わかりやすい文章で書かれておらず、むしろ専門書の類にあたるのだそうです。ただし、海外では大学時代にソフトウエアの勉強がカリキュラムに含まれていることが多いそうです。それは文系であってもプログラミングのカリキュラムがあるほど(詳細は記載されてませんでしたが、選択科目の可能性あり)で、少々乱暴な言い方をしますと、職業訓練的なカリキュラムがあらかじめ組まれていると言うことのようです。社会に出たらすぐに即戦力になるように、基本的なソフトウエアの操作くらいはできないと、と言うことなのでしょうか。

また、小さな企業でも教育プログラムへの参加やそのための資金を全額負担するなど、社員教育へも積極的に関与しているようです。

一方、日本ではどうかと言いますと、大学のカリキュラムでプログラミングがあるのは、理系の、しかも電子工学系を中心にした学部くらい。文学部ではマイクロソフトのワードやエクセルの授業すらありませんよね(たぶん)。加えて、企業から教育プログラムへの参加を推奨されているのは、余力のある大企業のみ。中小企業では新たな技術を身につけようとしたら、自腹を切るか、会社を退職して職業訓練校に通うなどの限られた方法しかないようです。そのために「易しい解説本」がたくさん発行されているのだそうです。しかもそれらは千円から二千円台と、海外のそれに比べてとても安価なんだそうです。

そういう日本国内のビジネス関連教育事情ですが、一般的に日本人は教育と情報・サービス関連へのコスト意識が低いなどと言われます。特に情報はタダでもらえるもの、と言う風潮が見られるとのこと。うーん、言われてみれば私もフォーブスなどは無料で情報を得ているわけですから、私も意識が低い、と言われても仕方がないかもしれません。

教育については、小・中学校の無償化はもとより、高等学校の無償化、ひいては大学の無償化まで言われているような時代です。確かに所得格差による教育を受ける機会の喪失は子ども達にとって悲劇です。一方で、大学や高等学校を出たらあまり本を読まない、勉強?そんなのは昔の話、と言う方、いらっしゃいませんか?特に私たち世代。せっかく高倍率の難関をくぐり抜けて大学に入ったのに、メールすらまともに打てないオジさん。ちゃんと勉強しないと、給湯室で女子社員にバカにされてますよ。

また、情報へのコスト意識も少しだけでいいので持ちたいもの。あとはサービスに対するコストですね。日本人の中にはサービス業の方に「おい!「お・も・て・な・し」だろ?」と、「スマイル0円」を強要します。あの、こういうことを言う方にはスマイル0円ではなく、即刻退場を命じてください(笑)。

以前もお話したかと思いますが、私が最初に勤めた学習塾の経営者は、私が30年近く前に、すでにブラインドタッチでワープロを打つのを見て、「キーボードを巧みに打てるのはキーパンチャーか事務職の人間の仕事だ」と、(エグゼクティブにはそんな必要はない)と言わんばかりのことをのたまっておりましたが、あっという間にそんなことを言っている場合ではない時代になってしまいました。それも、私がその独り言のようなセリフを聞いた4年だか5年後には、日本でも商用インターネットが普及し始め、メールによる情報のやりとりが始まりました。あっという間に時代は変化します。その変化の影響で、最近は逆に、キーボードが打てない若い世代の人が増えたらしいのですが…(タッチパネル、便利ですものね)。

お金だけでなく、時間もコストのうち。無料の教育環境はネットにあふれています。少し時間というコストをかけて、社会人の方ももう一度学習する機会を設けてみませんか?また情報やサービスに対して「タダが当たり前」という考え方を捨ててみるのも大切ではないかと訴えつつ、今日のお話はこの辺にしたく存じます。

次回もお楽しみに!

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