今日ののりべぇ 3月28日・火曜日(旧暦は閏月の2月7日)

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当然?大袈裟?「プレッパー」についてご紹介します。

まぁ、気持ちはわかるんだけどね、って感じだと思いますよ。

 近年、自然災害、紛争、経済危機が身近なものとして捉えられるようになり、そうしますと「自己防衛」がクローズアップされます。古くは米国のキューバ危機。その前から米国内では核シェルターやそれに代替できる地下室の整備が進み、ほぼ全国民が逃げ込める体制を作っていました。幸い、最悪の事態は、時の政府により免れましたが、現在でも当時の面影を残す施設は多数残されています。あるいは津波被害を減らすため、高台のないエリアでは避難タワーなどの施設が急ピッチで整備されています。こうした、災害・紛争などに対応した取り組みは、政府主導で行われることと、個人レベルで自発的に行うことと、大きく分けて2通りあるかと思いますが、そのうちの後者、つまり、個人レベルで自発的に行う災害対策を、日常的に取り組んでいる人たちのことを「プレッパー(prepper)」と呼びます。似たような言葉で「プレッピー(preppy)」がありますが、意味は全く異なります。こちらは良家・お金持ちの子女に対して使われる俗称、あるいは彼ら・彼女らが通った私立学校の制服デザインを取り入れたファッションを指します。
 結論から言いますと「まぁ、気持ちはわかるんだけどね」です。と言いますのも、プレっパーと呼ばれる人たちの備蓄量は、ライトな人でも1から3ヶ月分、推奨されている備蓄量は2・3年分だそうで、銃規制が緩いアメリカなんかでは、当然のように銃砲類の備蓄も行われています。

日本人は広義の意味で「国民総プレッパー状態」。でも、彼らの定義では「準備不足以前の問題」。

 自然災害が日常のように起こる日本において、最低限の備蓄というのは基本とされています。中には全く準備していないという方もいらっしゃるでしょうし、準備そのものができない、したくないという方もいらっしゃるでしょう。どそういう方を除けば、実は日本人は広義の意味で「みんなプレッパー」。政府も1週間分の備蓄を、と呼びかけています。一方で、筋金入りのプレッパー曰く「それでは準備不足以前の問題」なんだとか。なんと「3年分、せめて1年分の食料品を備蓄せよ」と言われます。でも、どうしてそんな話になるのでしょうね?

「開拓時代の名残」?あるいは「今そこにある危機」?プレッパーの「本場」に見るその根源。

 プレッパーの「震源地」といえばアメリカ合衆国です。プレッパーという言葉自体英語ですしね。なんでも3〜400万人はいるそうで、地下室にせっせと食料品を備蓄し、核シェルターを自前で持ち、さらには農場を購入するという人もいるそうです。まあ、アメリカ合衆国という国の成り立ちや、人々の移動・開拓の歴史を考えれば紐解けます。たとえば、20世紀においても干ばつがあり、世界恐慌(経済恐慌)があり、戦争・紛争の危機を乗り越えてきています。さらに西海岸エリアですが、最近では80・90年代の地震(1989年のロマ・プリータ地震と、1994年のノースリッジ地震)で甚大な被害を出していますし、竜巻や洪水など、アメリカ大陸では結構自然災害が発生しています。自ずと、災害への備えを行うという気持ちは、日本人でなくても生まれるというものです。
 ただ、それがエスカレートした、と言っても過言ではないのがプレッパー。備蓄したものを取られまいと、銃を使うことも厭わないところは、災害→店に侵入して強奪ということが多いアメリカでは、仕方のない行動なのかもしれません。また、膨大な物量の備蓄というのも、世界恐慌は決して歴史の教科書だけのことではない、ということを実践しているのでしょう。危機管理は大切ですが、それに開拓者精神・建国精神が加わった結果、とも言えます。

日本でも共感者続出中。あなたはどうする?

 そのプレッパーですが、「本場」アメリカから日本にも「輸入」されています。とりわけ日本では、災害対策と同時に、食糧危機への警告がプレッパーとなるきっかけのようです。
 日本と災害という関係については今更申し上げるまでもありませんが、紛争対策は結構切実です。もしC国が南シナ海を封鎖するとなった場合、日本が輸入する物資の半分以上が止まる恐れがあります。中東からの原油に始まり、欧州から来る食料品・工業製品などは入りにくくなるでしょう。逆もまた然り。日本は輸出ができなくなり、産業が先細ってしまいます。実はこの問題。紛争問題が引き起こす経済危機であり、ひいては食料問題にまで発展しかねません。その時、あなたはどうしますか?コツコツと備蓄するか。それとも、物資が不足した時に略奪?それは決してありえません。
 また日本では、鳥インフルエンザによる鶏の大量感染とそれに伴う処分の影響により、卵の価格が高騰しています。これまで、安定な供給が可能だった卵だけではありません。牛乳も安定供給に黄色信号が点灯。いずれも、備蓄対象の食品ではないものの、これらは食糧危機の第一歩に過ぎないと言っている人もいます。

ここは「日本流の知恵」で行くのはいかがでしょうか?

 誤解のないように申し上げますが、私はプレッパーという人たちの考え方を否定していません。むしろ、私自身はかなりプレッパー寄りの考えを持っています。とはいえ、一般的な日本人が、限られた収納スペースを使い、1年分以上の食品を備蓄するというのは少々無理があるように思えます。日本人プレッパーの中には、ウォークインクローゼットに備蓄をしても収まりきれない、という方もいらっしゃるほどですから。
 ただ、普段から災害への備えを、という政府広報の効果もあり、次第に備蓄を始め、かつ、無駄がないよう、ローリングストック(使って買い足すという循環型の備蓄並びに消費)という概念も定着しつつあります。また、日本人主食の米は、ある程度の長期保存に向いていますし、昔から食文化に根付いている乾物(かんぶつ)や漬物もあります。意外と、日本流の知恵を駆使すると、備蓄もしやすいのかもしれません。

脅すつもりはないけど、やっぱり備蓄、大事ですよー。

 もし、各家庭で1週間程度の食料があれば、自然災害発生後、余裕を見て救援を待つことができます。基本的な応急処置のレクチャーを受けていれば、いざという時に役立ちますし、救急隊の到着へもゆとりを持って対応できるでしょう。もし建物が倒壊し、避難所も収容人数オーバー、ということであれば、ちょっとしたアウトドアのテクニックを使い、野宿も不可能ではありません。相応の準備さえあれば、十分可能なことですし、早かれ遅かれ、何らかの災害は発生することでしょう。その際、備蓄は大事です。それに加えて、前述の技術があればなおOK。実はそれらの技術、ボーイスカウトのカリキュラムにも入ってるんですけどね(笑)。変な宣伝になるから、これ以上は言いませんけど(爆)。

 どうぞ皆様、ご安全に!明日もお楽しみに!

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