のりべぇ、ChatGPTに教えを乞う。
確かにすごい。申し分ない回答…。
いやぁ、最近、IT系のニュースで話題といえば、昨年11月30日に公開を開始した、ChatGPT(OpenAI社)。簡単な会員登録(無料)をするだけで、最先端の(らしい)AI技術で、あなたの質問に答えてくれる、というもの。何よりすごいのは、口語(話し言葉ね)で質問をして、口語で回答が返ってくる点。(質問の仕方によるでしょうが)箇条書きが多いようですが、それでも内容はバッチリ。私もビジネスアイデアを教えてもらおうと質問しましたが、とてもわかりやすい「ご回答を賜りました」。最先端のAI技術を駆使すれば、すでに人間の自然な言語を習得できているという話も聞いたことがありますが、事実上のタダで、Webを介して言葉のやり取りができるこのChatGPT。先端技術が、ここまで身近な場所にまでやってまいりました。
もちろん、盲点もありますよ。
とはいえ、このChatGPTは、回答をインターネット上から引用するため、もしインターネット上の情報に誤りがありますと、そのまま誤った情報を回答してきます。つまり、流暢に話せる反面、情報源は「荒野」とも言えるインターネット。まだ玉石混交の情報源から「厳選」するにまでは至っておりません。また、圧倒的に「多数派」の、英語のサイトからの引用が多いらしく、実に自然な日本語で回答が来るのですが、内容をよくみてみますと、情報源の多くは英語圏から、というのがわかります。といいますのも、前述の、私が教えてもらったビジネスアイデアを細かく読めばわかるのですが、よく私が購入する、海外の著者によるビジネス書の日本語翻訳に内容がよく似ているからです。もちろん、アイデアの内容そのものは秀逸だと言わざるを得ません。少し話がそれますが、海外のビジネス書にはそうした、秀逸な内容のものが多くあるということの裏返しでもあります。まあ、そうした話は差し引いても、実に素晴らしいサービスであることに違いはありません。
これは「ゲームチェンジャー」なのか?
最近流行の言葉に「ゲームチェンジャー」というのがあります。その名の通り、ゲームをひっくり返すほどに脅威的な「何か」(何か、はその時々でモノ・サービスなど、さまざまな物事を指します)を表した言葉ですが、ではこのChatGPTは「ゲームチェンジャー」となり得るのでしょうか?
私が時々引用する「フォーブス」ネット版では、「ChatGPTに関する5つの「盛られている話」」を含め、複数の記事が掲載されています。また、IT系情報サイト「CNET」でも「対話AI「ChatGPT」にそれほどの革新性はない」という、Meta(旧称Facebook社)チーフサイエンティストの記事もあります。AIの駆使という点では最先端なのかもしれませんが、ChatGPTはあくまでも、既存技術の集積。ゆえにゲームチェンジャーと呼ぶべきものとは言い難い、というのが結論のようですが、Googleも同様のサービス「Bard」を2月7日、テストユーザー向けに展開を開始しました。まだまだ過渡期のサービスとはいえ、Google以外の会社も準備を進めているところをみますと、実は「ゲームチェンジャー」?とはいえ、2023年が事実上の「会話型AIサービス元年」となりそうです。
過信は禁物。だが、映画「2001年宇宙の旅」の世界に、いよいよ追いついた、のか?
1968年に公開された「叙事詩的SF作品」、スタンリー・キューブリック監督「2001年宇宙の旅」。その中で出てくる宇宙船「ディスカバリー1号」には、「人工知能(AI)」HAL9000型コンピュータが搭載されていました。架空のコンピュータとはいえ、使っているパソコンに「HAL」と名付ける人は結構いまして、今でも人気の「キャラクター」となっています(でも、劇中では同乗している宇宙飛行士を殺害するような悪いヤツなんですけどね)。そして長年言われてきたのが「HALと同様のコンピュータはいつ出現するだろうか?」という話です。もちろん、まだ結論は出ていません。しかし、ChatGPTのサービス開始、それに追随する他社。これらの「対話AI」は、HAL9000に追いつけるでしょうか?今後の行方を見守りたいところです。
明日もお楽しみに!
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